おこがましい

【読み方:おこがましい、分類:概念】

おこがましいは、「痴がましい」や「烏滸がましい」とも表記され、身の程をわきまえない(分不相応である)、差し出がましい、出過ぎたことだ(なまいきだ)を意味する用語です。これは、「をこ(おこ)」に、シク活用形容詞を作る接尾語「がまし」が付いて、「おこがまし」となったもので、古語の「をこがまし」に由来します。また、鎌倉時代頃の吉田兼好著の「徒然草(つれづれぐさ)」においては、「世俗の虚言をねんごろに信じたるも、をこがましく(世間の嘘を正直に信じているのも、ばかげている)」と「をこがまし」が使われています。

一般に"おこがましい"は、いかにもばかげている、全くばかばかしいが原義で、これが転じて、今日のような意味となりました。また、本用語は、日常的には、「先輩をさしおいておこがましいのですが」や「○○というとおこがましいのですが」というように使われます。ちなみに、「おこがましい」と「差し出がましい」は、ほぼ同義ですが、その使い分けについては、自分がやった行為に対して遠慮して言う場合は「おこがましい」を、他人がやった行為に対して遠慮して言う場合は「さしでがましい」を使うことが多いです。