ふぐちり/てっちり

【読み方:ふぐちり、分類:日本料理/鍋】

ふぐちりは、「てっちり」とも呼ばれ、フグのちり鍋のことをいいます。また、てっちりとは、主に関西地方で使われる用語で、「鉄砲」の略の「てっ」と「ちり鍋」の略の「ちり」が語源となっており、フグはあたると死ぬこともあることを比喩した「鉄砲(てっぽう)」に由来します。

一般にちり鍋は、白身魚の切り身を野菜や豆腐などと共に水煮した日本の鍋料理で、煮汁には味付けをしないため、淡泊な味わいが特徴となっています。現在、代表的なものとして、タラ(鱈)を使った「鱈ちり」、タイ(鯛)を使った「鯛ちり」、フグ(河豚)を使った「河豚ちり」などがあります。

ふぐちり(てっちり)

魚介類の中で、フグ(河豚)は、フグ目フグ科の海魚の総称をいい、体は長卵形で丸みを帯び、ヒレが比較的小さく鱗を欠き、鋭い歯はくちばし状となっており、外敵に襲われると腹を著しく膨張させるものもいます。また、食用面では、その味は美味ですが、卵巣や肝臓などにテトロドトキシンという毒を持つものが多く、調理には細心の注意が必要となります(調理には免許が必要)。

なお、日本のフグ料理に用いるものとしては、トラフグやマフグ、ショウサイフグなどが代表的なもので、日本近海では、約40種が知られています。