ト書き

【読み方:とがき、分類:概念】

ト書きは、脚本(台本)上で、出演者(役者)の動きやシーンの状況などを説明する文章をいいます。これは、台本において、台詞の間に、役者の動きや出入り、心情や情景、照明・音楽・効果などの演出を説明したり指定したりした"注意書き"のことで、また戯曲等では、時代や場所、日時の指定、舞台の装置説明なども含むことがあります。

ちなみに、本用語の由来については、江戸時代の歌舞伎において、現在の脚本にあたる「台帳」と呼ばれる本に、演出の指示として「ト両人歩み寄り」や「ト悲しき思入れ」などと表記され、「ト」で始まる形であったことから、「ト書き」と呼ばれるようになったそうです。

<本用語の使用例>

・映像作品の脚本は、登場人物のセリフとト書きで構成されている
・台本の段階から前作にもましてト書きによく分からないことが書いてあった
・基本的にト書きに忠実で衣装も古典的だが、舞台はモダンな感性に照らされた美しさがあった