泣いて馬謖を斬る

【読み方:ないてばしょくをきる、分類:故事】

泣いて馬謖を斬るは、「涙を揮いて馬謖を斬る」とも言い、情として処分するに惜しい人物であっても、違反があった時には全体の統制(規律)を保つために、私情を捨て処分することをいいます。これは、中国の二十四史の一つで、魏・呉・蜀の三国の歴史を記した書である「三国志」の中の「蜀志(馬謖伝)」の故事に由来するものです。

その昔、中国の三国時代、蜀(しょく)の諸葛孔明(諸葛亮)は、愛弟子で日頃から重用していた臣下(武将)の馬謖が、街亭の戦いで命令に背いて戦略を誤り魏軍に大敗したため、軍律により泣いて馬謖を斬罪(首をきる刑罰)に処したというものです。これより、組織の規律や秩序を保つためには、たとえ愛する者であっても例外にするのではなく、違反者には厳しく処分することの喩えとなっています。

ちなみに、「三国志演義」では、諸葛亮の泣いた理由は、馬謖を軍律のために斬ったことではなく、前主君の劉備に「馬謖を重用すべきではない」と言われていたにも関わらず、守らなかった自分に対する嘆きとなっています。