枕を高くして寝る/枕を高くする

【読み方:まくらをたかくしてねる、分類:故事】

枕を高くして寝るは、「枕を高くする」や「枕を高くして臥す」とも言い、何の不安もなしに寝ること、安心して寝ること、安心すること(心配事が全くないこと)をいいます。これは、中国の「戦国策(魏策)」や「史記(呂后本紀)」が出典で、「楚韓の患い無くんば、則ち大王枕を高くして臥し、国必ず憂い無からん」とあるのに基づくもので、中国の戦国時代、秦と同盟を結ばせるために、遊説家の張儀が魏王を説得するために言ったものとされます。

その昔、古代中国において、戦いが続いている間は、不意の敵の襲来に備えて地面に耳をつけたり、遠くの音が聞こえるようにえびら(矢を入れる武具)などを枕として寝ており、本用語は、その戦いがやっと終わると、敵の襲来もなく安心して枕を高くして寝れることに由来するそうです。なお、今日では、懸案だった不安事や難題が解消した場合に用いられており、例えば、「借金の返済の目途がついて、ようやく枕を高くして眠ることができる」というように使われます。