万事休す

【読み方:ばんじきゅうす、分類:故事】

万事休すは、何もかも終わりで、もはや施す手段がないことをいいます。これは、中国の二十四史の一つで、宋の歴史を記したものである「宋史(荊南高氏世家)」の故事に基づくものです。その昔、荊南を継いだ王子の保勛は甘やかされて育ち、人が怒って睨んでも微笑む保勛に、荊南の人々が「万事休すだ」と言ったことに由来するそうで、実際に保勛が四代目当主になってから政治が乱れて国は滅びました。

一般に本用語は、対策の講じようがなく、もはや手の施しようがないこと、全てが終わったと諦めることであり、また似たようなものとして「万策尽きる」や「事ここに至る」、「刀折れ矢尽きる」などもあります。