朝三暮四

【読み方:ちょうさんぼし、分類:四字熟語】

朝三暮四は、表面的な相違(目先の違い)や利害に捉われて、結果が同じになることに気づかぬこと、うまい言葉や方法で人を巧みに騙すことをいいます。また、それが転じて、変わりやすく一定しないことや生計の意味で使われることもあります。これは、中国の「列子(黄帝)」などの故事に由来するもので、「朝四暮三(ちょうしぼさん)」と言うこともあります。

その昔、中国の春秋時代、宋の狙公(そこう)は、猿をたくさん飼っていました。ある時、家計が苦しくなったため、飼っている猿に与える餌を減らそうと考え、狙公は「これからはトチの実(どんぐり)を朝に三つ、暮れに四つやる」と言いました。それに対して、猿が「少ない」と怒ったため、「朝に四つ、暮れに三つやる」と言い直したところ、猿はとても喜んで承知したそうです。

<本用語の使用例>

・政治家は、国民を朝三暮四の猿とでも思っているのだろうか
・人間の脳は、案外刹那的で、朝三暮四的に騙されてしまうのはむしろ通例である
・週休三日制は、トータルの一週間当たりの勤務時間は同じだから、朝三暮四のようにも見える