永劫回帰

【読み方:えいごうかいき、分類:四字熟語】

永劫回帰は、ドイツ語の「ewige Wiederkunft」の訳語で、「永遠回帰」とも言い、宇宙は永遠に循環運動を繰り返すものであるから、人間(人)は今の一瞬一瞬を大切に生きるべきであるとする思想をいいます。

これは、ドイツの哲学者であるフリードリヒ・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche:1844-1900)の根本思想(生の絶対的肯定を説いたもの)で、あらゆる存在は意味も目標もなく、ただ宇宙の円環運動と同じように永劫に繰り返されるが、この円環運動を敢えて生きる決意をする者(人)は生の肯定に転じているというものです。

なお、ニーチェは、ギリシャ古典学や東洋思想に深い関心を示して近代文明の批判と克服を図り、またキリスト教の神の死を宣言し、善悪を超越した「永劫回帰のニヒリズム」に至りました。(自伝「この人を見よ」で、永劫回帰を「およそ到達しうる最高の肯定の形式」と述べている)

<本用語の使用例>

・神話にはよくある永劫回帰のパターンだが、最終戦争における神々の壮絶な戦いは興味深い
・階段の途中で横たわる黒蜥蜴の静かな死は永劫回帰を思わせ、下から見上げる明智の視線と対照をなす