東漸寺(横浜市磯子区)の写真

東漸寺とは、正式には「霊桐山東漸実際禅寺」と言い、神奈川県横浜市磯子区にある、臨済宗建長寺派の寺院をいいます。これは、鎌倉時代の1301年に北条宗長により、桃渓徳悟(宏覚禅師)を開山に迎え、建立されたものです。また、1386年に五山十刹の制度(臨済宗の寺格)により、十刹の第7位に列せられています。1878年の杉田の大火により、建物については、表門・裏門・観音堂・弁天堂・稲荷社などを焼失しましたが、釈迦堂・開山堂・庫裏・鐘楼は焼失を免れました。しかしながら、1923年の大正大震災(関東大震災)では、釈迦堂のみが残り、その後数度の大修理(解体復元修理等)が行われました。

現在、本寺院内にある、1298年に鋳物師の物部国光によって造られた梵鐘「永仁の鐘」は、国の重要文化財となっています(仏殿に安置、レプリカが鐘楼に吊るされている)。また、仏殿の「釈迦堂」については、当初の部材はあまり残っていまぜんが、三間四方の建物に裳階が付いた禅宗様仏殿の典型例として、日本でも最古に属することから県重要文化財となっています。その他にも、鎌倉時代後期のものと思われる「五輪塔」と元東漸寺塔頭東光庵の本尊である「木造薬師如来坐像」が県重要文化財となっています。

所在地 神奈川県横浜市磯子区杉田1-9-1
宗派 臨済宗建長寺派
本尊 釈迦如来
創建年 1301年

〇正面から釈迦堂を撮影

東漸寺

〇斜めから釈迦堂を撮影

釈迦堂