事典と字典と辞典と辞書と図鑑と年鑑の違い
新しい知識を広げる際に、その意味やイメージを調べることがあります。日常生活の中で、何かを調べるにあたっては、事典や字典、辞典、辞書、図鑑、年鑑などが定番となっており、昔(昭和時代)は書籍だけでしたが、昨今では、書籍で調べる機会は少なくなり、インターネットや電子辞書などで調べることが多いのではないでしょうか?
一般に事典や字典、辞典、辞書、図鑑、年鑑などは、専門家が編纂しており、また時代の流れの中で随時改訂されており、情報のクオリティーとしては信頼することができます。ここでは、意外と知っているようでいて知らない、「事典と字典と辞典と辞書と図鑑と年鑑の違い」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
事典について
事典(じてん)は、事物や事柄を表す言葉を集めて一定の順序に並べて説明した書物をいいます。これは、「事(こと)」という名称の通り、言葉の意味より事柄を説明したものであり、「百科事典(Encyclopedia)」が代表例ですが、それ以外に、固有名詞や事件、歴史、地理、生物などを詳しく記述しているものもあります。
字典について
字典(じてん)は、漢字の読みや意味などを説明した書物をいいます。これは、漢字を一定の順序に並べ、その発音や字源、意味、用法などを説明したものであり、「康熙字典」や「書道字典」などがあります。
辞典について
辞典(じてん)は、「辞書(じしょ)」と同義で、英語の「dictionary(ディクショナリー)」にあたる書物をいいます。これは、様々な言葉を集めて一定の順序に並べ、その表記法や発音、語源、意味、用法などを説明したもので、「国語辞典」や「漢字辞典」、「英語辞典」、「和英辞典」、「英英辞典」、「フランス語辞典」、「中日辞典」、「古語辞典」、「新語辞典」、「類義辞典」、「カタカナ語辞典」、「ことわざ辞典」など様々なものがあります。
辞書について
辞書(じしょ)は、「辞典(じてん)」と同義で、英語の「dictionary(ディクショナリー)」にあたる書物をいいます。これは、様々な言葉を集めて一定の順序に並べ、その表記法や発音、語源、意味、用法などを説明したもので、また辞典とは異なり、コンピュータの仮名漢字変換システムで、入力した仮名に対応する語句を登録しておくファイルのことも意味します。
図鑑について
図鑑(ずかん)は、 写真や絵を中心にして、事物を系統的に説明した書物をいいます。これは、博物学の動物や植物、鉱物などの品種を分類して配列し、各品種につき形状を詳細に説明し、実物を写真や写生によって具体的に示したものであり、「動物図鑑」や「植物図鑑」、「魚類図鑑」、「昆虫図鑑」、「恐竜図鑑」、「鉱物図鑑」など様々なものがあります。
年鑑について
年鑑(ねんかん)は、ある分野の一年間の出来事や統計などを収録・解説した、年一回発行する定期刊行物をいいます。これは、レファレンスブックの一種で、過去一年間に生じた変化を簡潔に記述し、統計や名簿などを添え、特有の形式で掲載するもので、「総合年鑑」や「専門年鑑」、「統計年鑑」、「百科事典年鑑」などの種類があります。
広辞苑と大辞泉について
広辞苑と大辞泉は、どちらも辞典に分類されるものですが、現在、代表的な辞典として、固有名詞(書籍名)で認識されることが多いです。
●広辞苑(こうじえん)
岩波書店が発行する中型の国語辞典(1955年に初版を刊行)。国語辞典と百科事典の要素を兼ね備えており、長年の歴史から「国民的辞典」とも言われる。
●大辞泉(だいじせん)
小学館が発行する中型の国語辞典(1995年に初版を刊行)。国語辞典と百科事典の要素を兼ね備えており、2004年から常時改訂(年3回更新)する「デジタル大辞泉」も提供。
事典と字典と辞典と辞書と図鑑と年鑑の違い
最後に「事典」と「字典」と「辞典」と「辞書」と「図鑑」と「年鑑」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
◎事典は事物や事柄を解説したものなのに対して、辞典(辞書)は言葉や文字の意味・発音・表記等について解説したものである。
◎辞典(辞書)は様々な言語や言葉について解説したものなのに対して、事典は漢字について解説したものである。
◎辞典と辞書は、言葉や文字の意味・発音・表記等について解説した書物として同じであるが、一方で辞書には、コンピュータの仮名漢字変換システムのファイルという意味もある。なお、書籍の商品名では、通常、辞典の名称が使われる。
◎広辞苑と大辞泉は、国語辞典の一種であるが、百科事典の要素も兼ね備えており、固有名詞(書籍名)で認識されることが多い。
◎図鑑は写真や絵を中心にして事物を系統的に解説したものなのに対して、年鑑は特定分野の一年間の出来事・統計等を収録・解説した年一回発行するものである。