以前と以後と以降と以来の違い
日常生活の中で、時(とき)にかかわる用語として、以前や以後、以降、以来などがあります。これらは、小学校の国語の時に意味を習っているものですが、いつの間にか曖昧になってしまい、時々、基準時を含むのか含まないかで迷うこともあるのではないでしょうか?
ここでは、今一度、頭をすっきりとさせるために、「以前」と「以後」と「以降」と「以来」について、その意味や用法、違いを簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
以前の意味と用法
以前(いぜん)は、基準面の意味では、その時よりも前をいいます。また、その他の意味では、今より前の時点(比較的近い過去)やある状態に達する前の段階のこともいいます。
・15時前に到着した(15時00分は含まず)
・彼女とは以前会ったことがある
・こんなミス、能力以前の問題ではないか
以後の意味と用法
以後(いご)は、基準面の意味では、その時より後のことをいいます。これは、通常、ある基準となる時点に話題の重点を置いて用い、それより後の意を示すものとなっています。また、その他に、これから先や今後といった意味でもよく用いられます。
・15時以後は家にいます(15時00分は含む)
・1月以後の予定はまだ分からない(1月は含む)
・今回は許す、以後、気をつけなさい
以降の意味と用法
以降(いこう)は、基準面の意味では、ある時より後のことをいいます。これは、通常、ある基準となる時点を含めて、それより後の経過全体に重点を置く場合に用いられます。
・15時以降は家にいます(15時00を含む、その後もずっといる)
・7月10日以降なら都合がつく(7月10日を含む、しばらくは)
以来の意味と用法
以来(いらい)は、基準面の意味では、ある時から今日に至るまでずっとをいいます。これは、時間軸において、何らかの経過や状況などを述べる際に使われ、またその他に、こののちや今後といった意味でもよく用いられます。
・7月7日以来の先発だった(7月7日を含む)
・2010年以来初めて景況感指数がマイナス圏に転落した(2010年を含む)
以前と以後と以降と以来の違い
最後に「以前」と「以後」と「以降」と「以来」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
・以前:その時よりも前
・以後:その時より後
・以降:ある時より後
・以来:ある時から今日に至るまでずっと
◎「以前」の対義語は、「以後」と「以降」である。
◎「以後」は、ある基準となる時点に話題の重点を置いて用いることが多いのに対して、「以降」は、ある基準となる時点を含めて、それより後の経過全体に重点を置いて用いることが多い。