調理と料理の違い
日常生活の中で、「調理器具」や「調理のコツ」、「料理教室」、「料理が上手」などといった言い回しを聞くことがあります。これらの中に出てくる「調理」と「料理」は、どちらも食べ物をつくる場合に使われますが、一方でどこが違うのでしょうか?
ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「調理と料理の違い」について、簡単にまとめてみました。
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調理の意味と用法
調理(ちょうり)は、食品の材料を洗浄や切断、加熱などの操作によって、食べられる状態に変えることをいいます。これは、手を加えてほどよくすることを意味する「調(ちょう)」と、きちんと整えることを意味する「理(り)」からなる用語で、また調理師や調理台、調理器具、調理家電、調理時間、調理方法、調理実習、店内調理、低温調理など、複合語でもよく用いられます。
一般に「調理」は、洗う、切る、ちぎる、こす、まぜる、おろす、圧搾する、煮る、蒸す、茹でる、焼く、炒める、揚げる、炒る、味つけするといった、材料を食べられる状態に仕上げる作業全般や技術面を指します。
<調理の用例>
・非常時に缶詰は調理をしなくても食べられる
・レストランで調理を担当し、メニューも考えた
・注文を受けてから調理するのでいつでも揚げたて
料理の意味と用法
料理(りょうり)は、食品の材料に手を加えて、食べ物をこしらえること、またその食べ物や調理をいいます。これは、見当をつけてはかることを意味する「料(りょう)」と、きちんと整えることを意味する「理(り)」からなる用語で、また料理人や料理長、料理専門家、料理教室、料理屋、日本料理、西洋料理、創作料理、郷土料理、家庭料理、懐石料理など、複合語でもよく用いられます。
一般に「料理」は、「調理」と比べて、広い意味を持つ用語で、つくること、できあがったもの、そのつくり方の企画や様式、それを業とすることなどを指し、また調理によってできたものは料理です。
<料理の用例>
・彼女は、料理をしないというより、全くできない
・地元ならではの食材を使った料理を中心に提供する
・高度な調理テクニックが必要とされる手の込んだ料理
調理と料理の違い
最後に「調理」と「料理」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
◎「調理」は、食べ物をつくる作業全般や技術を意味するのに対して、「料理」は、食べ物をつくること、できあがったもの、そのつくり方の企画や様式、それを業とすることを意味する。
◎「料理」は、「調理」と比べて、広い意味を持ち、調理によってできたものが料理である。また、料理は、日本料理や西洋料理、中国料理など様式も指す。
◎「調理」と「料理」の概念は、複合語から認識すると分かりやすい。例えば、「調理師」と言うが「料理師」とは言わず、「調理家電」とは言うが「料理家電」とは言わず、「料理店」とは言うが「調理店」とは言わず、また「日本料理」とは言うが「日本調理」とは言わない。