赤身魚と白身魚と青魚と赤魚の違い
日本は、世界有数の魚食大国で、イワシやサンマ、サバ、アジ、マグロ、サケ、タイ、ヒラメなど、様々な魚が日々食べられています。そういった中、身近な食用魚について、「赤身魚」や「白身魚」、「青魚」、「赤魚」といった呼称を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「赤身魚と白身魚と青魚と赤魚の違い」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
赤身魚とは
赤身魚(あかみざかな)は、身の部分(筋肉)が赤色をしている魚のことをいいます。これは、肉質の色による分類で「白身魚」に対する用語であり、マグロやカツオ、ブリ、カンパチ、サバ、イワシなど、広範囲の海水域を泳ぎ回っている、遠洋・近海の回遊魚の多くが該当します。
一般に回遊魚は、常に速いスピードで泳いでいるため、長時間活発に動かせる筋肉が必要となり、その体内には、筋肉を動かすための燃料となる酸素を貯蔵してくれる筋肉色素タンパク質「ミオグロビン」と、酸素を運搬する働きのある血液色素タンパク質「ヘモグロビン」が豊富に含まれています。
そして、この二つの色素タンパク質を多く含む筋肉(赤色筋)が多いことから身が赤い色になるそうで、またその身は、鉄分や脂肪分が比較的多く、味が濃厚であるものが多いそうです。
白身魚とは
白身魚(しろみざかな)は、身の部分(筋肉)が白色をしている魚のことをいいます。これは、肉質の色による分類で「赤身魚」に対する用語であり、タイやヒラメ、サケ、タラ、スズキ、カレイなど、近海の浅海に棲息する「沿岸魚」や、岩礁や砂地などに棲息する「底生魚」が該当します。
一般に沿岸魚や底生魚は、行動範囲が比較的狭く、獲物を捕える時のみ瞬発的に白色筋(速筋)という筋肉を使いますが、一方で速筋を動かすのに酸素をあまり使わないため、筋肉色素タンパク質「ミオグロビン」はほとんどありません。これより、白っぽい身となり、またその身はあっさりとした淡白な味で、低脂肪であるものが多いそうです。
ちなみに、サケの身(ピンク色)の赤い色素は、エビやカニなどにも含まれる「アスタキサンチン」というカロチノイド系色素によるもので、赤身魚とは別物になり、白身魚に分類されます。
青魚とは
青魚(あおざかな)は、体の地色が青緑色を帯びた魚の総称をいいます。これは、食用魚としては、イワシやサンマ、サバ、アジなど、比較的小型で、大量に漁獲される大衆魚を指す場合があります。また、寿司店で「光もの」や「青物」と呼ばれる、皮の光った青魚は、コハダやサバ、アジなどを指します。
赤魚とは
赤魚(あかうお)は、体の地色が鮮紅色の深海魚などをいいます。これは、主に流通用語として使われるもので、アコウダイやキンメダイ、キンキ、メヌケ、アカムツなど比較的大型で、また身が淡白で上品な味が特徴となっています。
赤身魚と白身魚と青魚と赤魚の違い
最後に「赤身魚」と「白身魚」と「青魚」と「赤魚」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
・赤身魚:身の部分が赤色をしている魚
・白身魚:身の部分が白色をしている魚
・青魚:体の地色が青緑色を帯びた魚
・赤魚:体の地色が鮮紅色の深海魚など
◎「赤身魚」と「白身魚」は、身の色が赤いか白いかで分類するものだが、必ずしも見た目どおりではない。例えば、薄いピンク色の身が多いブリやハマチは「赤身魚」であるが、ピンク色の身のサケは「白身魚」である。
◎「青魚」と「赤魚」は、外観による分類であるが、明確な定義は特になく、青っぽく見えるか、赤っぽく見えるかだけである。