十八番/おはこ

【読み方:じゅうはちばん/おはこ、分類:概念】

十八番は、「おはこ」とも読み、得意な芸や得意とする技、得意とする物事(事柄)のことをいいます。また、この意味が転じて、その人のよくやる動作や口癖なども指すようになりました。例えば、「カラオケの十八番」と言った場合は、得意な(いつもの)曲のことを意味します。

一般に十八番の語源には複数の説があり、その一つに、歌舞伎で七代目市川団十郎が、初代団十郎・二代目団十郎・四代目団十郎がそれぞれ得意としていた荒事の演目18種を選んで「歌舞伎十八番」と言ったという説があります。また、その他にも、阿弥陀如来が仏になる修行をしている時に立てられた48種類の誓い(弥陀の48願)の十八番目が「念仏をする人達を必ず救済する」というものであり、十八番目が他の諸仏の立てられた誓いより突出している(全ての生けとし生けるもの全てを救う)ことに由来する説などもあります。

ちなみに、十八番を「おはこ」と呼ぶようになったのは、市川家が得意の歌舞伎十八番の台本を箱に入れて大切に保管していたとする説と、箱の中身を真作と認定する鑑定家の署名を「箱書き」と言い、認定された芸の意味から「おはこ」になったとする説があるそうです。

<本用語の使用例>

・イベントでは十八番の持ちネタ「熱湯風呂」も披露した
・裏に抜け出してからの狙い澄ましたシュートが十八番となっている
・最後は十八番のダイビングボディーアタックで華麗に試合を決めた