蛇足
【読み方:だそく、分類:概念】
蛇足は、付け加える必要のないものや無用の長物のことをいいます。これは、中国の戦国時代の史書である「戦国策(斉策上)」の故事に由来する用語で、余計なこと、なくてもよい無駄なものの喩えにもなっています。その昔、楚の国で、蛇の絵を早く描く競争をした時に、自分の描く早さを自慢した者が「足まで描けるぞ」と言ったら、別の者が「蛇には足がないはずだ」と言ったため、足を描いた者が負けてしまったというものです。
ちなみに、この話を例にして、楚の国が斉の国を攻撃した際に、斉の陳軫が楚の宰相である昭陽に対し、「あなたは既に最高の地位にあり、勝ったとしても出世はないが、蛇に足を描き加えた者のように、余分な戦いをして失敗したら今の地位を失いますよ」と言って、楚の軍を引き上げさせたそうです。