ADL
【読み方:えーでぃーえる、分類:概念】
ADLは、"Activities of Daily Living"の略で、日本語で「日常生活活動」や「日常生活動作」とも呼ばれ、人が毎日の生活を送るために最低限必要な基本的動作のことをいいます。これは、食事・更衣・排泄・入浴・歩行・移動・整容などの身の回りで毎日繰り返される一連の基本的動作を指します。
元々は、リハビリテーション(医療)分野において、患者の機能障害や効果測定のために開発された概念です。今日では、医療や介護の現場において、患者や高齢者、障害者のADLが様々な方法によって評価され、リハビリテーションや運動療法を進める上で必要不可欠な情報となっており、また予防を含めたサービスを提供することで、老化や障害を改善する環境作りを目的としています。
現在、日本の介護保険制度では、ADLの動作一つ一つを「できる・できない」で調査し、その結果により、その人に必要な介護レベルを決めています。具体的には、対象となる項目を調査して「自立」「一部介助」「全介助」の3段階で評価し、総合点(スコアリング)が高いほど自立度が高いと判定されます。また、ADL障害とは、基本的動作に障害が生じて「介助」が必要になった状態をいいます。
なお、日常生活の基本的動作であるADLに対して、より複雑な日常生活における応用的動作のことを「IADL」と言います。