蛍雪の功
【読み方:けいせつのこう、分類:故事】
蛍雪の功は、「蛍雪之功」とも表記され、苦労して勉学に励んだ成果をいいます。これは、苦労して勉学に励むことを意味する「蛍雪」と、立派に仕事を成し遂げたことや名誉ある功績を意味する「功」からなる用語で、「蛍雪の功なってみごと合格する」というように使われます。また、その語源は、中国の晋王朝について書かれた歴史書「晋書」の中の以下のような故事(逸話)に由来するそうです。
その昔、中国の晋の時代に「車胤(しゃいん)」と「孫康(そんこう)」という二人の青年がいました。どちらも官吏(役人)を志望していましたが、夜勉強するのに灯油が買えないほど家が貧乏でした。そこで、車胤は、夏の夜に蛍を数十匹捕まえて、蛍の光で本を読んで勉強し、一方で孫康は、冬の夜に窓辺に雪を積み上げて、雪の明かりで勉強した結果、二人の努力は報われ、後に高級官吏に出世したというものです。
ちなみに、有名な「蛍の光(螢の光)」の歌詞(蛍の光、窓の雪、書読む月日、重ねつゝ、何時しか年も、すぎの戸を、開けてぞ今朝は、別れ行く)の中にある「蛍の光 窓の雪」は、本故事に基づくものだそうです。