李下に冠を正さず
【読み方:りかにかんむりをたださず、分類:故事】
李下に冠を正さずは、「李下に冠を整さず」とも表記され、誤解を招くような行動はすべきではないという喩えをいいます。これは、中国の古典詩の一形式である古楽府「君子行」が出典で、李(スモモ)の木の下で冠をかぶり直そうとして手を上げると、スモモの実を盗んでいるのではないかと疑われるので、そこでは直すべきではないという意に由来します。そして、その意が転じて、人から疑いをかけられるような行いは避けるべきであるという喩えとなりました。
なお、本故事と似たようなものとして、「瓜田に履を納れず」や「李下の冠、瓜田の履」、「瓜田李下(かでんりか)」、「火のない所に煙は立たず」などもあります。
<本用語の使用例>
・巨大な権力を持っている政権党には、李下に冠を正さずの態度が要求される
・政治資金の話は、李下に冠を正さずでしっかりとやっていかなければならない