流星光底長蛇を逸す
【読み方:りゅうせいこうていちょうだをいっす、分類:故事】
流星光底長蛇を逸すは、せっかくの(またとない)機会を逃してしまうことや、惜しいところで大敵を取り逃がしてしまうことの喩えをいいます。これは、江戸後期の儒学者・歴史家・漢詩人の頼山陽の詩「不識庵の機山を撃つの図に題す」において、「遺恨なり十年一剣を磨き、流星光底長蛇を逸す(十年の苦心も空しく、撃ち損なってしまった)」とあるのに由来するものです。
本詩は、戦国時代の上杉謙信と武田信玄の「川中島の戦い」を歌ったもので、「流星光底(流星のように一瞬の間きらめく光)」は勢いよく振り下ろす刀剣の閃光を流星に喩えており、また「長蛇を逸す」は惜しい獲物や大事な機会を取り逃がすことを喩えています。