鹿を指して馬と為す
【読み方:しかをさしてうまとなす、分類:故事】
鹿を指して馬と為すは、「鹿を馬」や「馬を鹿」とも言い、人を威圧して間違い(無理)を押し通すことや、人を騙して陥れることの喩えをいいます。これは、中国の二十四史の一つで、黄帝から前漢武帝までの二千数百年にわたる通史である「史記」の秦始皇本紀にある故事に由来するものです。その昔、秦の始皇帝が死んだ後、悪臣の趙高が自分の権勢を試そうと二世皇帝に鹿を献上し、それを馬だと言って押し通したというものです(鹿と言った者は処刑された)。
なお、本用語と似たようなものとして、「鷺を烏と言う」や「白を黒という」、「柄の無い所に柄をすげる」などもあります。