夏炉冬扇
【読み方:かろとうせん、分類:四字熟語】
夏炉冬扇は、「冬扇夏炉」とも言い、時期(季節)外れで役に立たない物事の喩えをいいます。これは、中国の後漢時代の王充が著した思想書である「論衡(逢遇)」の中で、「益無き能を作し、補う無きの説を納るるは、夏を以て炉を進め、冬を以て扇を奏むるなり(役に立たない才能を振りかざし、役に立たない意見を君主に進言するのは、夏に囲炉裏をすすめ、冬に扇を差し出すことと同じである)」に由来するものです。
なお、本用語と似たようなものとして、「月夜に提灯」や「昼の行燈」、「無用の長物」などもあります。
<本用語の使用例>
・予が風雅は、夏炉冬扇のごとし
・中世的伝統の上にあった芭蕉は、己れを夏炉冬扇といい、無用坊といった
・いくら良いテーマであっても、夏炉冬扇であっては紙が無駄になるだけである