上演と公演の違い
音楽や演劇、ミュージカル、バレエ、オペラ、サーカス、奇術、演芸など、ショービジネスにおいて、「上演」や「公演」といった用語が日常的に使われます。どちらも観客の前で何かを見せるという意味では同じですが、一方でどこがどう違うのでしょうか?
ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「上演と公演の違い」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
上演の意味
上演(じょうえん)は、舞台(ステージ)で演じ、観客(人々)に見せることをいいます。これは、おおやけの場に出すことを意味する「上(じょう)」と、芸能等を実際に行ってみせることを意味する「演(えん)」からなる用語で、主に演劇やオペラ、ミュージカル、バレエ、奇術、演芸などで使われる用語となっています。
一般に上演は、生の臨場感や顧客との距離感などを重視するため、音響設備等の整った専用劇場や専用ホールなど、限られた客席数の顧客を対象とした場合に用いられることが多いです。
公演の意味
公演(こうえん)は、公開の場(多数の観客の前)で演じることをいいます。これは、世間一般を意味する「公(こう)」と、芸能等を実際に行ってみせることを意味する「演(えん)」からなる用語で、主に音楽や演劇、ミュージカル、バレエ、オペラ、サーカス、奇術などで使われる用語となっています。
一般に公演は、集客を重視するため、専用劇場や専用ホール以外に、ドーム球場やアリーナ、野外ステージなど、多くの顧客を対象とした場合に用いられることが多いです。また、本来は上演の方が当てはまるものの、集客の際に公演と記載することも多いです。
上演と公演の違い
最後に「上演」と「公演」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
◎上演は、舞台で演じることをいうのに対して、公演は、公開の場で演じることをいう。どちらも同じように使われることも多いが、一方でニュアンスの違いとして、上演が「演じるのを見せること」に重点が置かれているのに対して、公演は「多くの人に見せること」に重点が置かれている。
◎上演は、顧客に最適な環境で見てもらうため、音響設備等の整った専用劇場や専用ホールなどでの開催となり、必然的に人数(席数)は限られる。一方で公演は、集客に重点が置かれているため、会場は広いものの、席によっては、あまりにも演者から遠く、見るのに最適でないこともある。