糟糠の妻
【読み方:そうこうのつま、分類:人間】
糟糠の妻は、「糟糠之妻」とも表記され、貧しい時から連れ添って苦労を共にしてきた妻のことをいいます。これは、「糟糠」と「妻」から構成される用語で、また糟糠とは"酒かすと米ぬか"のことで、それが転じて、"粗末な食物"を意味します。
その出典は、中国の後漢朝について書かれた歴史書である「後漢書(宋弘伝)」で、その中に「糟糠の妻は堂より下さず(そうこうのつまはどうよりくださず)」という有名な句に由来します。また、本句は、貧しい頃から苦労を共にしてきた妻は、立身出世の後も離縁するわけにはいかない(自分が富貴になっても大切にしなければならない)という意味で、人としてのあり方の清らかさや誠実さを喩えた言葉となっています。
<本用語の使用例>
・下積み時代から、糟糠の妻の支えもあって、お笑い芸人として成功できた
・音楽業界において、糟糠の妻を捨てて新しい女性に走ったとされる例は数多くある
・北政所宛の手紙は多く、秀吉が心から信頼できたのは「糟糠の妻」だけだったのかもしれない