強ち(あながち)

【読み方:あながち、分類:概念】

あながちは、「強ち」とも表記され、あとに打消しの語を伴い、断定しきれない気持ち(必ずしも、まんざら、一概に)を表す用語をいいます。これは、「あな」は「おのれ(己)」の意で、「己勝ち(あながち)」に由来するもので、元々は、他人の迷惑を顧みず、自分勝手にしたいままにするというのが原義でした。そして、それが時代の中で転じて、平安時代末期には既に打ち消しの語を伴って用いる「必ずしも」という意が生じ、次第に現在の意味(用法)が主流となっていったそうです。

一般に本用語は、日常的には、「彼の話は、あながち嘘とは言いきれない」や「○○いう懸念は、あながち考えすぎともいえない」というように使われます。