蓼食う虫も好き好き
【読み方:たでくうむしもすきずき、分類:諺】
蓼食う虫も好き好きは、蓼(タデ)の辛い葉を食う虫もあるように、人の好みは様々であることの喩えをいいます。これは、蓼(ヤナギタデ:柳蓼)のような苦味のあるものでも好んで食べる虫がいるように、人の好みは多様性に富んでいる(人それぞれである)ことを意味するものです。また、蓼を好んで食べる虫は、「蓼虫(りょうちゅう)」と呼ばれ、ホタルハムシなどの甲虫を指します。
一般に本諺は、人の好みの多様性を述べたもので、その出典は、中国の南宋時代の羅大経(らたいけい)著の随筆集「鶴林玉露(かくりんぎょくろ)」に記載されている「氷蚕は寒さを知らず、火鼠は熱さを知らず、蓼虫は苦さを知らず、ウジ虫は臭さを知らず」であると言われます。また、日本では、江戸時代の狂言台本「縄綯(なわない)」の中に、「たでくふ虫もすきずきと申すが-」とあります。