完璧
【読み方:かんぺき、分類:概念】
完璧は、欠点や不足がなく、非常に立派なこと(様)をいいます。これは、よく漢字で書く際に「完壁」と書かれることがありますが、完全に誤字(誤り)であり、「壁」ではなく「璧」であることに重要な意味があります。それは、「璧」は平らで中央に孔のあいた"宝玉(貴重な玉)"のことであり、完璧は「傷のない玉」が本来の意味となるからです。また、今日のような意味となったのは、中国の故事成語に由来するそうです。
その昔、中国の戦国時代、趙の国にあった「和氏の璧(かしのへき)」と呼ばれる立派な璧を、秦の国王・昭王が欲しくなって「秦の15の城と交換したい」と申し出ました。この申し出に対して、趙の国の藺相如(りんしょうじょ)が秦の国へ使いに行きましたが、城と交換する気配がなかったため、藺相如は璧を命懸けで持ち帰りました。そして、その時の状況が「完璧而帰(璧をまっとうして帰る)」という故事成語となり、そこから「完璧」が大事なことを成し遂げることや、欠点が全くない様を表すようになったそうです。
一般に本用語は、日常的には、「完璧を期する」や「プレゼンは完璧だった」というように使われます。なお、似たような用語に「完全」がありますが、これは欠けたところや足りないところが全くないこと、必要な条件が全て満たされていることなどを意味します。
<本用語の使用例>
・全ての面において完璧で、これを変える利点はない
・ネイティブでない以上、完璧な英語を目指す必要はない
・○○は、どんな演出であろうと涼しい顔で完璧に演じきる