虎の威を借る狐
【読み方:とらのいをかるきつね、分類:故事】
虎の威を借る狐は、他人の権勢に頼って(かさに着て)威張る小人の喩えをいいます。これは、中国の「戦国策(楚策)」の故事が出典となっており、虎を権力者や権勢、狐を小人に喩えたものです。
その昔、虎に捕らえられて食べられそうになった狐が、「私は天帝(神様)から百獣の王(長)になるよう命ぜられた。もし私を食べたら天帝の意に背くことになる。嘘だと思うならついてきなさい」と言うので、虎は狐について行ったところ、他の動物(獣)達は狐の後ろにいる虎を見て、皆逃げ出しました。そして、それを見た虎は、狐を恐れて逃げたのだと思い込み、狐の話を信じたというものです。
一般に本故事(虎の威を借る狐)が今でも使われるのは、時代が大きく代わり、長い年月が経っても、他人の権勢に頼って威張る小人(ずるい卑怯者)が常にいるからです。