和して同ぜず
【読み方:わしてどうぜず、分類:故事】
和して同ぜずは、「和して同せず」とも言い、人と協調するが、安易に同調したり雷同したりすることはないことをいいます。これは、儒教(孔子が唱えた道徳や教理を体系化したもの)における四書の一つである「論語(子路)」の中で、孔子が「子曰く、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」と言ったのに由来するものです。
一般に本故事では、君子(学識・人格ともに優れ、徳行の備わった人)は人と争わず協調するが、道理や信念を曲げてまで人に合わせるようなことは決してしないということを述べており、これより主体的に人と付き合うべきであるという戒めにもなっています。