「おしるこ」と「ぜんざい」の違い
冬の寒い時に食べたくなる「おしるこ」や「ぜんざい」、この二つは餡子(あんこ)や小豆(あずき)などから作られますが、どこがどう違うのでしょうか? また、地域によって、呼び名や中身が異なることもあり、人によって、認識が異なることも多いようです。
ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「おしるこ(お汁粉)」と「ぜんざい(善哉)」の違いについて、簡単にまとめてみました。
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「おしるこ(お汁粉)」とは
おしるこ(お汁粉)は、「汁粉(しるこ)」とも呼ばれ、小豆(あずき)を砂糖で甘く煮て、もしくは小豆餡(あずきあん)を水で伸ばし砂糖を加えて煮て、この中に餅や白玉などを入れた甘い食べ物をいいます。これは、餡(あん)の違いによって、漉し餡(こしあん)を用いる「御膳汁粉」、つぶし餡(つぶしあん)を用いる「田舎汁粉」、粒餡(つぶあん)を用いる「善哉」の三つに区分されることが多いです。
なお、関西では、単に「汁粉(しるこ)」と言うと、こしあんで作った「御膳汁粉」を指すことが多いです。
「ぜんざい(善哉)」とは
ぜんざい(善哉)は、「善哉餅」とも呼ばれ、主に小豆を砂糖で甘く煮て、もしくは粒餡(つぶあん)を水で伸ばし砂糖を加えて煮て、この中に餅や白玉などを入れた甘い食べ物をいいます。これは、汁粉の一つの形態で、通常、小豆の粒があるものを指して用いられることが多いです。ちなみに、善哉という名の由来には、仏教用語である「善哉(仏典では実に良いといった意味)」にちなんだ説や、出雲大社の神在祭で振舞われた「神在餅(じんざいもち)」が訛って「ぜんざい」になったという説などがあります。
なお、関東では、汁気の少ないものを「善哉」、汁気の多いものを「汁粉」と呼び、一方で関西では、汁気の少ないものを「亀山」、汁気の多いものの内、つぶし餡で作ったものを「善哉」、こし餡で作ったものを「汁粉」と呼ぶことが多いそうです。
「おしるこ」と「ぜんざい」の違い
最後に「おしるこ(お汁粉)」と「ぜんざい(善哉)」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
◎広義には、「ぜんさい」は、「おしるこ」の一種であるが、日常的には、汁ありが「おしるこ」、汁なしが「ぜんざい」と区別されることが多い。
◎「おしるこ」が、小豆を加工した餡(あん)の汁が特徴なのに対して、「ぜんざい」は小豆から煮るので粒があるのが特徴である。
◎関東では、小豆餡の汁物全般を「しるこ(汁粉)」と呼び、その中でも、粒ありのものを「田舎汁粉」、粒なしのものを「御前汁粉」と区別する。また、汁気の少ないものを「ぜんざい(善哉)」と呼ぶ。
◎関西では、小豆の粒なしのものを「しるこ(汁粉)」、小豆の粒ありのものを「ぜんざい(善哉)」と呼ぶ。また、汁気の少ないものを「亀山」と呼ぶ。