あべこべ
【読み方:あべこべ、分類:概念】
あべこべは、位置・順序・方向などが通常の状態とは反対(逆)であることをいいます。これは、江戸時代頃から用いられるようになった言葉で、古語で遠くを指す指示詞「彼(あ)」と近くを指す「此(こ)」に、「~の方」という意味の接尾字「辺」または「方」を付けてできあがった「彼辺此辺(彼方此方)」が語源とされ、本来あるべき状況(関係)がさかさまに入れ替わっていることを意味します。また、江戸時代の「両京俚言考」では、「彼(あ)ちらべ此(こ)ちらべ」の略とされるそうです。ちなみに、元々の意味は、「あっちのほう、こっちのほう」であり、それがいつしか「あっちとこっちがさかさまに」という意味に変化したようです。
一般に本用語は、日常的には、「左右あべこべになる」や「手順があべこべだ」、「あべこべな意見が出る」というように使われます。