北京ダック
【読み方:ぺきんだっく、分類:中華料理】
北京ダックは、中国料理の北京料理の一つで、下処理したアヒルを丸ごと炉で焼く料理をいいます。これは、北京市郊外や河北省を中心に特殊な方法で飼育されているアヒル(北京ダック)を炉(窯)で丸焼きにし、パリパリになった「アヒルの皮」を削ぎ切りにし、小麦粉を練った生地を薄く伸ばして焼いた「薄餅(バオビン)」または「荷葉餅(ホーイエビン)」と呼ばれる皮に、千切りしたネギやキュウリ、甜麺醤(中華甘味噌)と共に包んで食べるのが一般的です。また、お店によっては、削いだ皮に若干の肉を付けているところもあります。
一般に北京ダックは、中国の華北の中央に位置する北京が発祥地とされていますが、15世紀に明の永楽帝がアヒル料理の盛んな南京から遷都した際に原型となる「ローストダック」が伝えられ、その後、北京で宮廷料理にまで発達したと言われています。ちなみに、日本では、「北京ダックの肉は食べられない」という誤解がよくされていますが、実際には、コース料理の場合、肉や骨など各部位が肉料理やスープなどで有効活用されています。