宅老所
【読み方:たくろうしょ、分類:施設】
宅老所は、法定外の(法令に定義のない)民間独自の福祉サービスを提供している小規模の施設をいいます。これは、高齢者などができる限り、住み慣れた地域で生活ができるように、介護保険サービスなどの既存制度の範囲では手が届かない部分にもきめ細かく対応した、独自の福祉サービスを提供している地域に密着した施設となっています。現在、様々な形態があり、介護保険法や自立支援法の指定事業所になっている所、利用者からの利用料だけで運営している所、両者を組み合わせて運営している所などがあります。
一般に宅老所は、民家などを改修した建物を使ってサービスを提供している所が多く、家庭的な雰囲気の中で、一人ひとりの生活リズムに合わせた柔軟なサービス(ケア)が提供されています。その種類としては、デイサービス(通い)のみを提供している所から、ショートステイ(泊まり)やホームヘルプサービス(自宅への支援)、グループホームを運営している所まであり、サービス形態は実に様々となっています。また、利用者の対象については、高齢者に限らず、障害者や子どもなど、支援の必要な人すべてを受け入れる所もあります。
ちなみに、宅老所の設立については、1980年代半ばから全国各地で始まった、大規模施設では落ち着けない、施設では受け入れてもらえない認知症高齢者などに、少しでも安心して過ごしてもらえることを願って、介護関連や看護関連の人などの「草の根の取り組み」から始まったとのことです(宅老所の多くは、民家などを活用し、通いの形態から出発)。