安倍川餅
【読み方:あべかわもち、分類:和菓子】
安倍川餅は、単に「安倍川」とも略され、焼いた餅(もち)を湯に浸し、砂糖を混ぜた黄粉(きなこ)をまぶしたものをいいます。これは、静岡県静岡市の名物菓子の一つで、本来はつき立ての餅に黄粉をまぶし、その上から白砂糖をかけたものですが、その他に小豆餡や抹茶をまぶしたものなどもあります。また、家庭の食卓では、餅の食べ方として「きなこ餅一般」を指すことも多いです。
現在、昔ながらの安倍川餅は、旧東海道の安倍川橋付近の茶店風の店で食べられ、また土産用のものは、静岡市内の菓子店などで製造され、駅などで販売されています。
安倍川餅の由来(伝承)は、江戸時代の初期頃、静岡市を南流する安倍川の岸で、徳川家康が茶店に立ち寄ったところ、そこの店主が黄粉を安倍川上流で取れる砂金に見立て、つき立ての餅にまぶし「安倍川の金粉餅」と称して献上したところ、家康が大層喜んで「安倍川餅」と名付けたそうです。
その後、世間的には、江戸時代中期頃に、当時貴重で大変珍しかった白砂糖を使っていたことから、「東海道の安倍川河畔の茶店の名物」として日本全国に広く知られるようになったそうです。