中分子医薬品

【読み方:ちゅうぶんしいやくひん、分類:医薬品】

中分子医薬品は、高分子医薬品と低分子医薬品の中間に位置する、分子量が数千程度の医薬品をいいます。これは、バイオ医薬などの高分子医薬品の効果を持つと共に、従来医薬の低分子医薬品のように安価に作ることが可能で、例えば、遺伝情報物質を用いる核酸医薬やペプチド製剤などが挙げられます。

一般に分子サイズが小さい低分子医薬品は、工業的に合成できて安価ですが、様々な細胞に広く作用するため、効果は低い(限られる)という問題があります。一方で、バイオ医薬などの分子サイズが大きい高分子医薬品は、病気に関わるたんぱく質を狙って作用するため効果は高いですが、製造に大きな手間がかかり価格が高くなるという問題があります。

このような特性的な問題があるなか、中分子医薬品は、バイオ医薬の高い薬効と従来医薬の安い製造コストの両方を兼ね備えていることから、現在、その将来性が大きく期待され、製薬業界や大学で研究開発が積極的に進められ、また政府も研究を後押ししています。