ジン
【読み方:じん、分類:洋酒】
ジン(Gin)は、グレーンスピリッツにボタニカルを加え、それをさらに蒸留して作られるスピリッツ(お酒)をいいます。これは、ウォッカ、テキーラ、ラムと並ぶ、ホワイト・スピリッツの一つで、無色透明、辛口で爽やかな香味を持っています。
グレーンスピリッツとは、トウモロコシなどの穀類を原料に、麦芽や糖化酵素などの酵素剤を用いて糖化・発酵させ、連続式蒸溜機でアルコール濃度95%以上に蒸溜したものをいい、一方でボタニカルとは、ジンの生命線とも言えるもので、ジュニパー・ベリー、コリアンダー、アニス、キャラウェイ、フェンネル、カーダモンなどの種子、アンジェリカ、オリス、リコリスなどの根、レモンやオレンジなどの果皮、シナモンの樹皮など様々な材料種があります。
一般にジンの起源は、1660年にオランダのライデン大学医学教授シルヴィウス博士が薬用酒として研究・開発したとされており、また世界の酒造史の中で「ジンはオランダで生まれ、イギリスで洗練され、アメリカが栄光を与えた」と語られており、これは薬酒から始まり、カクテルベースとして愛されるまでの長い道のりを表現したものです。
現在、ジンは世界各国で作られており、その種類として、ロンドン・ジン(ドライ・ジン)、オールド・トム・ジン、オランダ・ジン(ジェネヴァ)、シュタインヘーガーなどの他に、チェリーやジンジャーで香味をつけたフレーバード・ジンなどもあります。ちなみに、この中で主流は、純度が高く、ジュニパー・ベリーや柑橘系の爽やかな香味が特長的な「ドライジン(Dry Gin)」となっています。
なお、ジンは、ストレートやロックなどで飲まれるほかに、マティーニ、ギムレット、ジン・フィズ、ジン・トニック、シンガポール・スリング、トム・コリンズ、アラスカ、ネグローニ、ホワイト・レディなどのカクテルの材料としてもよく使われています。