三隣亡
【読み方:さんりんぼう、分類:暦注/選日】
三隣亡は、選日の一つで、その日に建築すれば、近隣三軒まで災いが及ぶとされる日をいいます。これは、その日に建築すれば、火事を起こし、近隣三軒を焼き滅ぼすと言われて「忌む(避ける)日」とされ、1月・4月・7月・10月は亥(い)の日、2月・5月・8月・11月月は寅(とら)の日、3月・6月・9月・12月は午(うま)の日がそれに該当します。
一般に三隣亡は、少し前までは建築関係者の大凶日とされ、棟上げや土起こしなど建築に関することは一切忌むべき日とされていました。また、現在でも、棟上げなど建築に関することの凶日とされ、建築関係の行為が避けられることも少なくありません(高い所へ登るとケガをすると書いている暦もあり)。
ちなみに、江戸時代の本(暦注解説書)には、「三輪宝」と表記され、「屋立てよし」「蔵立てよし」と注記されていたそうですが(現在とは正反対の吉日)、これがどこかで誤解されて「凶日」として扱われるようになり、「凶日」が「三輪宝」では都合が悪いということで同音の「三隣亡」に変更されたそうです。
(ある年に暦の編者が「よ」を「あ」と書き間違え、それが「屋立てあし」「蔵立てあし」と伝わったとされるが真偽は不明)
なお、選日とは、「雑注」とも言い、暦注の中で、六曜・七曜・十二直(中段)・二十八宿・九星・暦注下段以外のものの総称をいい、古来から、その日の吉凶を判断する(占う)ための特殊な性格の日柄となっています。
<選日の種類>
・八専
・十方闇(十方暮)
・不成就日/不成日(不浄日)
・天一天上
・三隣亡
・三伏
・一粒万倍日
・犯土-大犯土(大土)、小犯土(小土)