半夏生

【読み方:はんげしょう、分類:雑節】

半夏生は、雑節の一つで、入梅から約三週間後で太陽の黄径が100度に来る時点の7月2日頃をいいます。また、雑節とは、二十四節気五節句などの暦日の他に、季節の移り変りの目安となる暦日の総称をいい、日本の風土と農作業の関係から考案された「日本独自の補助的な」となっています。。

一般に半夏生は、七十二候(二十四節気の各節気を初候・次候・末候に三分したもの)の暦日の一つ(夏至・末候)で、半夏(里芋科の多年草である「烏柄杓」の種を乾燥させたもの)という薬草が生える頃をいいます。また、農家にとっては大事な節目の日であり、この日までに農作業を終え、この日から5日間は休みとする地方もあるそうです。

なお、この日は天から毒気が降るとも言われ、井戸に蓋をして毒気を防いだり、この日に採った野菜は食べないといった俗習もあるそうです。あと、この頃に降る雨を「半夏雨(はんげあめ)」と言い、大雨になることが多いそうです。

<雑節の種類>

節分:立春・立夏・立秋・立冬の前日
彼岸:春分・秋分を挟んで前後3日間
社日:春分・秋分に最も近い戊の日(春社秋社
八十八夜:立春を起算日として88日目の日
入梅:太陽が黄経80度の点を通過する日
・半夏生:太陽が黄径100度の点を通過する日
土用:立夏・立秋・立冬・立春の直前約18日間
二百十日:立春を起算日として210日目の日
二百二十日:立春を起算日として220日目の日

【読み方:はんげしょうず、分類:七十二候】

半夏生は、七十二候の一つで、二十四節気の夏至の末候にあたるものをいいます。これは、二十四節気の第10(5月中)で、6月21日頃、およびこの日から小暑(7月7日頃)までの期間を指す「夏至」の末候(節気を約5日で分けたもののうち第3のもの)であり、日本の略本暦では「烏柄杓(からすびしゃく)が生える」という意味となっています。また、発祥地の中国の宣明暦でも「半夏生」と言い、その意味も同様となっています。

一般に七十二候とは、二十四節気の各節気を初候・次候(二候)・末候(三候)の三つに分けたもので、気象の動きや動植物の変化を知らせる名称が各々に付けられており、現在では、1874年(明治7年)の略本暦に掲載されたものが主に使われています。その中で夏の季節の「夏至」については、初候が「乃東枯(夏枯草が枯れる)」、次候が「菖蒲華(あやめの花が咲く)」、末候が「半夏生(烏柄杓が生える)」となっています。

<二十四節気を三区分した七十二候一覧>

立春東風解凍黄鶯睍睆魚上氷
雨水土脉潤起霞始靆草木萠動
啓蟄蟄虫啓戸桃始笑菜虫化蝶
春分雀始巣桜始開雷乃発声
清明玄鳥至鴻雁北虹始見
穀雨葭始生霜止出苗牡丹華
立夏蛙始鳴蚯蚓出竹笋生
小満蚕起食桑紅花栄麦秋至
芒種螳螂生腐草為蛍梅子黄
夏至乃東枯菖蒲華、半夏生
小暑温風至蓮始開鷹乃学習
大暑桐始結花土潤溽暑大雨時行
立秋涼風至寒蝉鳴蒙霧升降
処暑綿柎開天地始粛禾乃登
白露草露白鶺鴒鳴玄鳥去
秋分雷乃収声蟄虫坏戸水始涸
寒露鴻雁来菊花開蟋蟀在戸
霜降霜始降霎時施楓蔦黄
立冬山茶始開地始凍金盞香
小雪虹蔵不見朔風払葉橘始黄
大雪閉塞成冬熊蟄穴鱖魚群
冬至乃東生麋角解雪下出麦
小寒芹乃栄水泉動雉始雊
大寒款冬華水沢腹堅鶏始乳