蒸留酒
【読み方:じょうりゅうしゅ、分類:お酒】
蒸留酒は、英語では「Spirits(スピリッツ)」と言い、醸造酒を蒸留して作ったお酒をいいます。これは、醸造酒(発酵液)を熱して沸点の違いを利用して水よりも低い沸点のアルコールを気化させ、さらにそれを冷却して液化させ、元の発酵液よりもアルコール濃度(度数)の高い液体となったものです。
その歴史は古く、最古のものは紀元前に存在していたとされる「アラック」で、その後、世界各地で作られました。近代に入り、19世紀に連続式蒸溜機の発明と普及により大量生産が可能となり、また醸造酒よりも長期保存が効くことから世界的に発展しました。
一般にスピリッツは、国際的には全ての蒸留酒を意味し、その色調によって「ダーカー・スピリッツ」と「ホワイト・スピリッツ」に大別されます。一方で、日本の酒税法では、徴税の立場から、焼酎やウイスキー、ブランデーを除く、エキス分2%未満の蒸留酒、すなわち、ジンやラム、ウォッカ、テキーラなどをスピリッツとしています(エキス分が2%以上の甘口のものはリキュール類として区分)。
<代表的な蒸留酒の名称と原料例>
・ウイスキー:大麦、ライ麦、トウモロコシ
・ブランデー:果実酒
・ウォッカ:大麦、小麦、ライ麦、トウモロコシ、ジャガイモ
・ジン:大麦、ライ麦、トウモロコシ
・テキーラ:竜舌蘭
・ラム酒:サトウキビ
・アクアビット:ジャガイモ
・泡盛:インディカ
・焼酎:米、麦、サツマイモ、黒糖、そば、栗
・白酒(パイチュウ):中国の穀物