華甲

【読み方：かこう、分類：祝い歳】

華甲は、賀寿（年祝）の一つで、「還暦」や「本卦還り」とも呼ばれ、数え年で61歳のこと、またその祝い（儀礼）をいいます。これは、「華甲子（かこうし）」の略で、本用語の中の「華」という漢字を分解すると「十」が六つ、「一」が一つあり、合計で六十一（61）となって還暦の年齢を表わし、また「甲子」は干支の組み合わせの一番目（第一位）を表わすことに由来します。

また、賀寿とは、長生きの祝い（長老の祝い、老年の祝い）のことをいい、その年齢により、華甲（61歳）、古稀（70歳）、喜寿（77歳）、傘寿（80歳）、半寿（81歳）、米寿（88歳）、卒寿（90歳）、白寿（99歳）、百寿（100歳）、茶寿（108歳）、皇寿（111歳）、大還暦（121歳）といった名前が付けられています。ちなみに、古来日本で行われていた長老の祝いは古稀からで、華甲が祝われるようになったのは近世以降（江戸時代）からだそうです。

一般に長老の祝いには、お祝い色（基調色）が決まっており、華甲（還暦）を象徴する色は、生命と厄除けの色である「赤」となっており、またその際には、「生まれ直す」という意味を込めて、近親者等が本人に赤い物（赤いちゃんちゃんこ、赤い頭巾、赤い座布団など）を贈る風習があります。

※干支とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の「十干」と、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の「十二支」を組み合わせたものであり、全部で60通りの組み合わせがあり、60年で干支が一回りし、生まれ年の干支に戻る仕組みになっている。